2-1で勝った。
だから、これで良かったのでしょうか。
日本代表がニュージーランド代表に勝利した試合を見終えて、私の中にはひとつだけ引っかかるものが残りました。
鈴木唯人を見たかった。
もちろん、勝った試合です。
結果として日本は勝利していますし、代表戦は若い選手を試すだけの場所でもありません。
それでも、今の鈴木唯人を見ていると、どうしても思ってしまいます。
フライブルクで結果を残している鈴木唯人を、日本代表でもっと見てみたい。
清水エスパルスで将来を期待された若者は、フランスで思うように試合へ出られない時期を経験しました。
それでも欧州挑戦を終わらせず、デンマークのブレンビーで評価を高め、ついにはドイツ・ブンデスリーガへたどり着いています。
鈴木唯人は、いつの間にここまで来たのでしょうか。
今回は鈴木唯人の成績を振り返りながら、清水時代からフライブルク、そして日本代表での現在地まで追ってみます。
鈴木唯人の成績|清水から欧州、そして日本代表へ
鈴木唯人のキャリアを振り返ると、一直線に海外で成功した選手ではないことが分かります。
市立船橋高校から2020年に清水エスパルスへ加入。Jリーグで経験を積み、2023年にはフランスのストラスブールへ期限付き移籍しました。
ところが、最初の欧州挑戦では十分な出場機会を得られませんでした。
その後、デンマークのブレンビーへ完全移籍。ここで出場機会をつかみ、攻撃の中心として存在感を高めていきます。
そして、その活躍が次のステップにつながりました。
ドイツのフライブルクへの移籍です。
清水からフランスへ行き、そこで一気にブレイクしたわけではありません。
一度は出場機会に苦しみながら、デンマークでもう一度評価を積み上げ、欧州5大リーグへ戻ってきました。
現在の鈴木唯人を見るうえで、この遠回りは外せないと思います。
鈴木唯人の現在はフライブルク|ブンデスリーガで存在感
現在の鈴木唯人は、フライブルクでプレーしています。
そして2026-27シーズン、その存在感はさらに大きくなっています。
日本人選手がブンデスリーガへ移籍すること自体は、今ではそれほど珍しくなくなりました。
しかし、大切なのは「移籍したこと」ではありません。
そこで試合に出て、何ができているのかです。
鈴木唯人は攻撃的なポジションで起用され、得点という分かりやすい結果も残しています。
だからこそ、日本代表を見る側としても気になります。
クラブでこれだけ調子のいい選手を、代表ではどう使うのか。
今回のニュージーランド戦で私が鈴木唯人を見たかった理由も、そこにあります。

単純に「若いから使ってほしい」という話ではありません。
今、調子がいいから見たいのです。
清水では「うまい選手」だった鈴木唯人|記憶に残る湘南戦
鈴木唯人のプレーを振り返るとき、清水時代のあるゴールが印象に残ります。
2021年の湘南ベルマーレ戦です。
中盤でボールを持つと、自分で前へ運びます。
相手をかわしながらゴールへ近づき、最後はGKの位置を見てループシュート。
若い選手が勢い任せに突っ込んで決めたゴールではありません。
運ぶ。
かわす。
見る。
そして、決める。
一連のプレーの中に、鈴木唯人の良さが詰まっていました。
当時の鈴木唯人には、まだ「これからの選手」という印象もあったと思います。
ただ、今の姿から振り返ると、あの頃から現在につながるものは確かにありました。
自分で前を向ける。
自分で局面を変えられる。
そしてゴール前でも慌てない。

ブンデスリーガでプレーする現在の鈴木唯人を見たあとに清水時代を振り返ると、「突然うまくなった選手ではなかったんだな」と改めて感じます。
ストラスブールでは苦戦|それでも欧州挑戦を終わらせなかった
ただし、鈴木唯人の海外挑戦は順風満帆ではありませんでした。
2023年、清水からストラスブールへ期限付き移籍。
欧州へ渡ったことで、一気にステップアップしていくのかと思いました。
しかし、現実は簡単ではありませんでした。
出場機会は限られ、フランスで定位置をつかむところまではいきません。
海外へ行った若い日本人選手が試合に出られない。
珍しい話ではありません。
そして、ここからJリーグへ戻って再出発する選択も当然あります。
鈴木唯人は違いました。
次に選んだ場所はデンマークでした。
結果だけを追えば「清水→ストラスブール→ブレンビー→フライブルク」です。
しかし、その間には「欧州で試合に出られなかった鈴木唯人」がいます。
今の活躍を見るほど、この時期があったことを忘れたくありません。
ブレンビー移籍が転機|鈴木唯人が欧州で評価を高めた
ストラスブールで十分な出場機会を得られなかった鈴木唯人にとって、大きな転機となったのがブレンビーへの移籍でした。
デンマークで出場機会をつかむと、鈴木唯人の持っていた攻撃力が数字にも表れるようになります。
ボールを扱えるだけではありません。
前を向いて運び、ゴールへ入っていき、自分でフィニッシュまで持っていける。
清水時代にも見えていた特徴が、欧州の舞台で結果へ結びつき始めました。
ストラスブールで試合に出られなかったからといって、鈴木唯人という選手の価値がなくなったわけではありませんでした。
環境が変わり、試合に出ることで、本来持っていたものが見えるようになった。
そしてブレンビーで積み上げたものが評価され、フライブルクへのステップアップにつながりました。
遠回りだったのかもしれません。
でも、その遠回りがなければ、現在の鈴木唯人もなかったのかもしれません。
鈴木唯人のプレースタイル|どこがそんなにうまいのか
鈴木唯人の魅力をひとつだけ挙げるなら、私は「前を向いたときの怖さ」だと思います。
足元の技術があります。
狭い場所でもボールを扱えます。
しかし、単にテクニックを見せるタイプではありません。
前を向けばゴールへ向かいます。
相手を抜けば、その先があります。
パスを出して終わるのではなく、自分自身もゴール前へ入っていきます。
だから得点にもつながるのでしょう。
トップ下だけに固定される選手でもなく、複数の攻撃的なポジションでプレーできることも強みです。
そして清水時代の湘南戦を思い出します。
あのゴールもそうでした。
ボールを持ってから、「次は誰に渡そう」と考えるのではなく、自分で局面を前へ進めていました。
所属クラブも変わりました。
相手のレベルも変わりました。
本人の身体もプレーも成長しています。
それでも、鈴木唯人らしさの根っこは、あの頃からそれほど変わっていないのかもしれません。
日本代表の鈴木唯人|クラブで結果を出しても競争は続く
そして、日本代表です。
ここまで来ると、鈴木唯人にとって最大の壁は「代表に呼ばれること」ではなくなってきました。
呼ばれたあと、誰とポジションを争い、どれだけ試合に出るかです。
日本の攻撃陣には久保建英をはじめ、欧州のトップレベルでプレーする選手が並んでいます。
クラブで活躍したからといって、そのまま代表のポジションが用意されるわけではありません。
それは鈴木唯人も同じです。
日本は2-1で勝ちました。
結果を求められる代表監督として、森保監督は勝利という結果を残しています。
それでも私は思いました。
鈴木唯人を見たかったな、と。
フライブルクで結果を出している今だからこそ、日本代表の中に入ったときに何ができるのかを見たかったのです。
鈴木唯人はこれから日本代表の中心になれるのか
清水エスパルスで将来を期待され、欧州へ渡りました。
ストラスブールでは思うように試合へ出られませんでした。
それでも欧州に残り、ブレンビーで結果を出し、フライブルクまでたどり着きました。
こうして振り返ると、鈴木唯人はずっと順調だった選手ではありません。
だから私は、今の鈴木唯人が面白いのだと思います。
ニュージーランド戦は2-1で勝ちました。
勝ったのだから良かった。
それは間違いありません。
でも、勝ったからすべての興味が消えるわけでもありません。
「あの選手を使ったらどうなったんだろう」
サッカーを見ていれば、そんなことを考える試合があります。
今回、私にとってその選手が鈴木唯人でした。
清水で見せた才能が、フランスで一度足踏みし、デンマークを経てドイツまで届きました。
次に見たいのは、その力が日本代表の中でどう生きるのかです。
2-1で勝った。だから良かった。
そのうえで、やっぱり言わせてください。

鈴木唯人、見たかったなあ。


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